パンタ・レイの軌跡

2018年06月25日

Reggio Emilia市などの行政が時間も資金も費やして育てたパンタ・レイ(法人)。

研修は実践が中心、年単位でみっちりと行い、ようやくお試し保育・幼稚園を設立して実戦ができる立場になっても、数年はReggio Emilia市からベテラン保育者が派遣されチューターとして現場に居てくれる手厚いサポートがある。

教育に対して市全体が熱心であるからこそできる。

市からの教育に対する投資額は目を見張るものだが、現在に至るまでに減額されている。

従って市とReggio Childrenが開催する保育者の研修費は年々、値上がりしていると聞いた。

それでも研修で得た資金は良質な教育へ投資され、子どもへ還元され、我々研修を受ける側も世界中で良質な実践をして子どもに還元できる。

Reggio Emiliaだけではなく、イタリアの「還元する」文化は今や世界中でその重要性が知られ、実践されている。

しかしながら子どもが還元の中心に置かれていて、行政がこれに協働しているところは珍しいと思う。

「協働」であることは重要で、行政だけでは出来ることに限界があり、企業の力だけでも出来ることに限界がある場合は、お互いで出来ることを分担して1つの事業を立ち上げるといった具合。

Max Maraの園【Giulia Maramotti】が分かり易かった。

パンタ・レイが設立されて10年の頃に、運営を任された園がそれ。

イタリア国内でも待機児童は問題視され、Reggio Emilia市内でも同じだった頃に建てられた園で、斬新な建物は当時はシンプル過ぎた外観にReggio Emiliaの園でこれが!?という印象だったそう。建物自体は、30才以下の若い建築家に競わせ、構想を提出させ、Max Mara社長、Reggio Childrenのペダゴジスタ、市の職員、教育専門家、建築家など集まって1つを選んだそう。園が出来て数年後に見に行った方は、「綺麗すぎてまるで美術館の様だった」と話した。

園内にある水のアトリエのアイディアは斬新で、子ども達がプールで水遊びが出来る。水に親しむことで次第に泳げるようになることを目指していると説明があった。

ここの園は高級住宅地近隣にあるので、やはり教育に対し「意識高い系」の家族が在籍することもあり、様々なニーズがあることが伺える。

「英語も喋れた方が良い」、「ただ遊んでいるだけでは...」といった親のニーズも権利だから、園と市は満たしていく必要があるのだろう。

園が設立されて10年。今ではすっかり雰囲気も変わりとても良い取り組みがされていると聞いた。

室内空間はReggio Childrenのそれとは違い、やはり現代的であるという印象を持った。街の中にも現代建築物が増えているが、これも市が投資をしているらしい。

子ども達はこれらの新しい建築物をベースにプロジェクトを進めることもあるようで大変、興味深い。


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