物語からの考察

2018年06月08日

前のブログにあげた物語。

エレベーターから降りようとするも、お互いで譲り合ってしまって気付けばエレベーターはどんどん上へいってしまい、乗りたい人も乗れず...というなんとも滑稽なお話しでした。

その場にエレベーターがあるわけでもなく、食事の席で突然語られたお話しだったので慌ててメモをしたことを覚えています。

なぜ、このようなお話しにいたったのかを尋ねると、やはりこのような光景を見たことがあるからだ、と。

「そのまま譲り合っていたら違う階へ行ってしまわないかと。可笑しいな。」

と感じたそう。

このお話しはとても日本的であるなと感じたので、「面白さを残して英語でつくれるか」と提案しました。これは結果的に難しく、「これは日本語だからなりたつ。英語の国では人気はでないね」という結論を持ちました。

キーとなる「どうぞ」の部分。

After youが主流かなと考えました。これは

「私がおりるのはあなたの後ですよ」

と言うことなのですが、「どうぞ」に戻ってみると、

「あなたが、お先にどうぞ」

主語が違うのは文化の違いからかなと感じることができます。

先日、別の子(5才)が「お邪魔します」と断って入室する光景を見た時に

たいへん、ネガティブな表現だ。邪魔しに行くなら止めておけばいい。

邪魔しないで観察したり、一緒に遊ぶために行くならそれは言わなくてもいい。

と話していました。

では、なんと言ってお部屋に入ればよかったのかと尋ねると、

「呼んでくれてありがとう」

これは海外でよくつかわれる表現です。

「私を呼んでくれてありがとう。私を招待してくれてありがとう。」

ということです。

日本の表現に戻ると、

「あなたの空間に邪魔させていただきますよ」

先の「どうぞ」と一緒でまず、主語が違うのです。

略称ではあるものの、その1つの言葉が抱える意味はとても多く、感慨深いものがあると感じます。

これが言葉が持つ文化、文化がつくる言葉なのだと実感できます。